少しの手間で普通預金金利を上げる!!銀行の優遇プログラムを活用しましょう!

日銀がゼロ金利政策を転換し利上げをおこなってから、預金金利の上昇も始まっています。長年続いた「金利のない世界」から、「金利のある世界」への変化が始まっています。

アセットアロケーションを公開!!資産配分の見直しを考えます!」の記事で、定期預金の満期をきっかけに資産配分の変更に着手したことをお伝えしました。その中で投資を時間分散して行うために、余裕資金の一部を普通預金に置いておく必要があることを説明しました。どうせ置いておくなら、普通預金と言えども金利が高いに越したことはありません。今回は銀行の各種優遇プログラムを活用して普通預金の金利を上げる方法について解説します。

なお、優遇プログラムや優遇金利などの情報は、現時点(2025/3/9)での情報に基づいて記載しています。優遇内容などについてはできるだけ正確に記載したつもりですが、実際に口座開設や取引を行う場合は、公式サイト等にて最新情報を確認の上自己責任にて実行判断を行うようお願いいたします。


ポイント

  • 銀行は優良顧客の囲い込みのためにさまざまな優遇プログラムを用意している
  • SBI新生銀行は登録や設定のみで優遇金利を受けられる特例がある
  • 楽天銀行は楽天証券連携、楽天プレミアムカードの設定で優遇金利が受けられる
  • イオン銀行は取引の得点化でステージが決まるがハードルはそれほど高くない
  • 銀行の利用目的に沿った優遇プログラムの活用を考える

目次


1. 銀行の優遇プログラムとは

銀行における優遇プログラムとは、取引内容に応じて優遇や特典を提供するサービスです。頻繁に利用してくれる得意客向けの優遇であり、囲い込み戦略でもあります。取引に応じて個別にポイントやキャッシュバックを行ったり、ステージやレベルを設定して、その段階ごとに優遇や特典が決められていたりします。

さまざまな銀行がさまざまな優遇プログラムを行なっていますが、お得感があり、かつ私も活用している次の三つの銀行のプログラムを紹介します。
  • SBI新生銀行
  • 楽天銀行
  • イオン銀行
今回の目的が普通預金の金利アップなのでこの三つを選びましたが、振り込み手数料の無料回数であったり、ATM手数料の無料回数であったり、目的が異なると銀行の選定も変わってきます。

ちなみに、私が活用している銀行とその利用用途は以下のとおりです。
銀行特徴目的
V Neobank
(住信SBIネット銀行Vポイント支店)
SBI証券連携
Vポイントが貯まる
メインバンク
(クレジットカード決済、給与振込等、SBI証券連携)
三井住友銀行OliveVポイントが貯まるVポイントを貯めるため
UI銀行定期預金金利が高い
振込無料回数20回/月
定期預金
SBI新生銀行普通預金金利が高い投資の時間分散用普通預金
楽天銀行楽天証券連携
普通預金金利が高い
楽天証券連携
ソニー銀行外貨預金の使い勝手が良い外貨預金
イオン銀行普通預金金利が高い投資の時間分散用普通預金(サブ)

アクティブに使っているものだけで7行なので、ちょっと多いですよね。管理が大変なので、本当はもう少し減らしたいのですが、それなりに目的が分かれていて集約が難しいのも事実です。強いて言えば、投資の時間分散用口座をイオン銀行からSBI新生銀行に移しつつあるのでここは集約できるかもしれません。

同じように口座(枚数)が増えて管理が大変なのがクレジットカードですが、その話は別の機会に投稿しようと思います。

それでは本題に戻って、3つの銀行の金利優遇プログラムを解説していきます。

2. SBI新生銀行

最初に解説するのは、つい最近2025年3月3日からダイヤモンドステージの場合の普通預金金利を0.4%に上げたSBI新生銀行です。

SBI新生銀行の優遇プログラムは「ステップアップブログラム」と呼ばれ、取引内容によりスタンダード(Standard), シルバー(Silver), ゴールド(Gold), プラチナ(Platinum), ダイヤモンド(Diamond)の5つのステージに分類され、ステージが高いほど価値の高い優遇サービスが受けられるものになっています。

ダイヤモンドステージでは、円普通預金金利が0.4%になるとともに、米ドル普通預金金利が0.3%、他行への振込が月10回まで無料などの優遇もあります。取引量でダイヤモンドステージになるためには、投資商品残高2,000万円以上など高いハードルがありますが、登録や設定のみで達成できる特例が設けられています。

特例1. SBI証券との口座振替契約
特例2. SBI新生コネクトの設定
特例3. U28 Zero世代の口座開設
特例4. Bright60入会

特例1および2は、SBI証券口座を持つことが必要です。2の「SBI新生コネクト」は、SBI新生銀行の円普通預金口座とSBI証券の証券総合口座を連携させる自動入出金サービスです。既に他行との自動入出金サービスを設定している場合でも、1の口座振替契約を登録すればダイヤモンドステージになることができます。

特例3は28歳以下の若者向けの口座で、この口座開設のみでダイヤモンドステージになることができます。また、特例4は60歳以上の人が、2025年4月から開始の「Bright60」という会員制サービスに入会を行うだけでダイヤモンドステージになることができます。

これらの特例では取引量に関わらずダイヤモンドステージを維持できるので、一手間かける価値は十分にあると思います。

3. 楽天銀行

楽天銀行の金利優遇プログラムはふたつあります。ひとつは楽天証券と連携し資金の自動入出金を行う「マネーブリッジ」の利用によるもの、もうひとつは楽天カードの利用代金引落によるものです。

まず、マネーブリッジを設定すると普通預金金利が300万円以下は年0.28%、300万円超は年0.22%に優遇されます。一方、楽天カードの利用代金引落によるものは、普通預金金利が0.22%まで優遇の上、ゴールドカード以上のプレミアムカードの場合は、0.01%~0.06%のボーナス金利が付くようになります。プレミアムカードのボーナス金利はマネーブリッジの優遇金利の上乗せになるので、併用することにより最大0.34%まで普通預金金利を高めることができます。

楽天証券を利用されている方はまずはマネーブリッジの設定を、さらに楽天プレミアムカードを活用する方は上乗せ金利を期待できるということです。ちなみに私は楽天プレミアムカードは持っていないので、最大0.28%の金利優遇になっています。

楽天銀行には、「ハッビープログラム」という優遇プログラムが別途存在していて、預金残高や取引回数によってATMの無料利用回数や他行振込の無料回数などが増えていく優遇が受けられるようになっています。

4. イオン銀行

次にイオン銀行の優遇プログラムを説明します。イオン銀行は以前から優遇プログラムによる普通預金金利が高く魅力的でしたが、SBI新生銀行等が金利を上げてきており、若干魅力度が下がった感は否めません。今後の金利アップに期待したいと思います。

イオン銀行の優遇プログラムは「イオン銀行Myステージ」と呼ばれています。取引の内容が得点化され、その点数に応じてブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナのうちのどれかのステージが決まります。最高ステージのプラチナステージには、取引による点数が150点以上必要で、その場合普通預金金利が0.25%に優遇されます。

150点はハードルが高そうに感じますが、例えば以下のような設定・取引で達成できます。
  • イオンカードセレクトの契約 (10点)
  • イオンカード利用代金の引き落とし (10点~)
  • 積立式定期預金の口座振替 (10点)
  • 外貨預金残高 (10点~)
  • 外貨普通預金積立の口座振替 (30点)
  • カードローンの契約 (10点)
  • インターネットバンキングの登録 (30点)
  • 給与の受け取り (30点)
  • 積立預金のボーナススコア (10点)
積立定期、外貨積立は500円から可能ですし、カード利用代金も月額定額のものをひとつ設定すれば達成できると思います。また、カードローンは契約のみで借りる必要がないので、契約の手間だけです。

5. まとめ

銀行の優遇プログラムのうち、普通預金金利を高めるもので私が活用しているものを解説しました。銀行の利用目的に従って、優遇プログラムをうまく活用することが大切です。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

1級ファイナンシャルプランニング技能士
CFP®️認定者
1級DCプランナー

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