自動車保険の更新を終えたら、今度は車検の案内が来ました。早速見積もりしてもらいましたが、車検代って結構かかりますよね。今回は整備費用以外で車検時に必須でかかってくる法定費用について解説していきます。

ポイント
  • 車検代は法定費用、車検基本料、整備費用の合算である
  • 法定費用には自賠責保険料、自動車重量税、検査手数料がある
  • 自賠責保険料は車種で費用が決まる
  • 自動車重量税は環境性能の高さで税額が決まる
  • 検査手数料は工場の種類と申請方法によって費用が決まる

車検代に含まれる費用

そもそも車検代にはどのような費用が含まれているのでしょうか。

車検代には以下の費用が含まれています。

車検代に含まれる費用
  • 法定費用
  • 車検基本料
  • 整備費用

法定費用は法律で決められている必ず支払う必要のある費用です。この法定費用については次の章で詳しく説明します。

車検基本料は、車検を業者に依頼するときに支払う費用で、法定点検や車検代行手数料などからなります。この車検基本料は一定ではなく、業者によって金額が異なります。

整備費用は車検の際に交換する部品代や工賃などの費用です。車検を通すという目的のためだけでなく、定期整備として行っておいた方が良い部品交換やその工賃も含まれています。

法定費用は業者に関わらず同額ですので、車検費用をできるだけ安くするためには車検基本料が安い業者を選ぶことが肝要です。一方で車検は定期整備の意味もあるので、安心感が得られる整備が車検と同時になされることも重要です。見積もりをしてもらった時に、部品交換の必要性や工賃などの説明を聞いて、その納得感を費用とともに総合的に判断して業者を決めましょう。

法定費用とは

法定費用は次の3つの費用の合計になります。

法定費用
  • 自賠責保険料
  • 自動車重量税
  • 検査手数料

自賠責保険は人身事故により被害者を死傷させた場合の損害賠償を補填する保険です。法律(⾃動⾞損害賠償保障法)によって加⼊が義務づけられている強制保険になります。自賠責保険での補償内容については、「自動車保険の更新案内が届いた!補償内容を確認しながら更新しましょう!!」の投稿も参照してください。

自動車重量税は、車検などの際に自動車の重量等に応じて課税される国税です。この自動車重量税とは別に自動車税や軽自動車税がありますが、これらは車検のタイミングではなく毎年5月末までに支払います。ちなみに、自動車税は都道府県が、軽自動車税は市町村が課税するものです。

検査手数料はその名のとおり車検にかかる手数料で、印紙代や証紙代として支払います。

自動車に関連する税金は上記の他に取得時に課税される自動車税・軽自動車税やガソリン税などがあります。これらの税金についてまた別の機会に述べたいと思います。

自賠責保険料

自賠責保険の保険料は、国土交通省が基準料率を公表しています。国土交通省から公表されている自動車損害賠償責任保険基準料率から自賠責保険料を抽出したものが以下の表です。

自動車損害賠償責任保険保険料
 車種 3年(36ヶ月) 2年(24ヶ月)
自家用乗用車23,69017,650
軽自動車23,52017,540

国土交通省「自動車損害賠償責任保険基準料率」(PDFファイル)より引用

自家用乗用車は小型車、普通車に関わらず定額になっています。

自動車重量税

自動車重量税については、国土交通省の「自動車重量税額について」のページにフローチャートと税額表が載ったPDFファイルが公開されています。乗用車の車検時の自動車重量税は以下のとおりになっています。

自動車重量税(継続検査時・乗用車・2年自家用)
 車両重量 エコカー エコカー
(本則税率)
 エコカー外
 右以外 13年経過 18年経過
0.5トン以下免税5,0008,20011,40012,600
~1トン以下10,00016,40022,80025,200
~1.5トン以下15,00024,60034,20037,800
~2トン以下20,00032,80045,60050,400
~2.5トン以下25,00041,00057,00063,000
~3トン以下30,00049,20068,40075,600

国土交通省「自動車重量税額について」「継続車検を受ける場合」(PDFファイル)より抜粋引用

上の表はシンプルですが、自分の車がどの区分に入るのかは表からでは理解できません。どの区分になるかは、国土交通省のPDFファイルにフローチャートが示されており、そのフローチャートに沿って区分が決まります。簡単に言えば、環境性能の高い車は免税の恩恵を受けられ、古くて環境性能の低い車は税金が高くなっているということです。

フローチャートは2025年4月30日までと5月1日以降で分かれているので、細かいですが両方のフローチャートを引用して掲載しておきます。2025年4月30日までのフローチャートはガソリン車のものです。

2025年4月30日までのフローチャート

国土交通省「自動車重量税額について」「継続車検を受ける場合」(PDFファイル)より抜粋引用

2025年5月1日以降のフローチャート

国土交通省「自動車重量税額について」「継続車検を受ける場合」(PDFファイル)より抜粋引用

上記は継続(2年車検)の場合の自動車重量税ですが、新規(3年車検)の場合は別の税額、フローチャートになっているので、参考に載せておきます。

自動車重量税(新規検査時・乗用車・3年自家用)
 車両重量 エコカー エコカー エコカー外
 50%減 25%減 本則税率 軽減なし
0.5トン以下免税3,7005,6007,50012,300
~1トン以下7,50011,20015,00024,600
~1.5トン以下11,20016,80022,50036,900
~2トン以下15,00022,50030,00049,200
~2.5トン以下18,70028,10037,50061,500
~3トン以下22,50033,70045,00073,800

国土交通省「自動車重量税額について」「継続車検を受ける場合」(PDFファイル)より抜粋引用

2025年4月30日までのフローチャート(新車新規登録時)

国土交通省「自動車重量税額について」「継続車検を受ける場合」(PDFファイル)より抜粋引用

2025年5月1日以降のフローチャート(新車新規登録時)

国土交通省「自動車重量税額について」「継続車検を受ける場合」(PDFファイル)より抜粋引用

検査手数料

車検にかかる手数料である検査手数料について見ていきます。この手数料は、印紙代・証紙代として支払います。印紙も証紙も税金や手数料を支払う際に使われますが、印紙は国に対して、証紙は地方自治体に対して支払う際に利用します。印紙は国が発行する証票、証紙は地方自治体が発行する証票ということです。

検査手数料については、国土交通省の「登録・検査手数料一覧表」(PDF資料)、および軽自動車検査協会の「継続検査(車検)」のページにまとめられています。国土交通省の資料は、主に車の販売店が新規登録するときの費用である「新規検査」や、改造車が受ける「構造等変更検査」、登録時や再交付などの費用も含まれていてちょっとわかりづらいので、必要な部分のみ下に引用してみました。なお、自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)を利用している前提で、その部分を抽出しています。また、下記の表中にある機構とは、独立行政法人自動車技術総合機構を指します。

検査手数料(OSS申請・継続)
 自動車の種別 納付先・金額
 
(検査登録印紙)
 機構
(自動車審査証紙)
 合計
軽自動車1,2004001,600
小型自動車
(5/7ナンバー)
1,2004001,600
普通自動車
(3ナンバー)
1,2004001,600

国土交通省の「登録・検査手数料一覧表」(PDF資料)
および軽自動車検査協会の「継続検査(車検)」のページより抜粋引用

上の表では費用が一律のように見えますが、持ち込みなのか否か、OSS申請か否かなどによって費用が細かく設定されています。また、車検をしてもらう場所には指定工場と認証工場の区別があり、指定工場では証紙代が不要になります。指定工場はその工場内で車検を行うことができる工場で、民間車検場とも呼ばれます。

まとめ

車検に含まれる費用、特に法定費用についてその内容と金額を説明してきました。私自身車検は何度も受けていますが、避けられない費用なのであまり中身について詳しく調べたことがありませんでした。3つの法定費用のうち、自動車重量税は環境性能に応じて金額が変わってくるので、買い替えの目安にもなると思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

執筆者プロフィール

1級ファイナンシャルプランニング技能士
CFP®️認定者
1級DCプランナー