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5月, 2025の投稿を表示しています

ふるさと納税におけるポイント制自治体ってご存知ですか?注意するべき点を認識して上手に使いましょう!!

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先日友人と話していて、たまたまふるさと納税の話になった時、ポイント制を採用している自治体があることは知らなかったと言っていました。意外と知らない人もいるのかもしれないと思ったので、今回はふるさと納税におけるポイント制について解説したいと思います。 ポイント ふるさと納税において、ポイント制を採用している自治体がある ポイント制は、寄附時点ではポイントの付与を受け、後日ポイントを利用して返礼品を申し込む仕組みである ポイントには有効期限があるが、再度ポイント制で寄付することによって合算ポイントの有効期限が延びる インフレや改悪の可能性もあるので、ポイントは早めに利用したい 目次 ポイント制自治体 ポイント制の利用方法 ポイント制の注意点 まとめ 1. ポイント制自治体 ふるさと納税は、自分で選んだ自治体に寄附を行った場合に、寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税および住民税からそれぞれ控除が受けられる制度です。所得に応じた限度額までの範囲の寄附では、自己負担2,000円で返礼品が受け取れる制度ということで、利用されている方も多いと思います。 総務省「 ふるさと納税に関する現況調査結果(令和6年度実施) 」の資料によると、令和5年度に全国の自治体に寄付された総額は1兆1100億円余り、ふるさと納税によって住民税が控除された人が約1,000万人とのことです。住民税を納めている人は全国でおよそ6,000万人なので、6人に1人の割合でふるさと納税を行なっていることになります。 ふるさと納税受入額・受入件数 ふるさと納税による住民税控除額・控除適用者数 ※総務省「 ふるさと納税に関する現況調査結果(令和6年度実施) 」より引用 ふるさと納税では、寄附金額に応じた「返礼品」を受け取ることができますが、寄附の時点では返礼品を受け取らず、自治体固有のポイントをもらい、その有効期限内でポイントを返礼品と交換するという便利な制度があります。この制度は、ポイント制と呼ばれます。 ポイント制は全ての自治体が採用しているわけではないので、利用しているふるさと納税の仲介サイトで、ポイント制を採用している自治体を確認した上で利用する必要があります。 2. ポイント制の利用方法 ポイント制での寄附のやり方はとてもシンプルです。 ①ポイント制を採用している自治体から寄附したい自治体を選ぶ...

退職後の健康保険をどうしたらいい??第4の選択肢「特例退職者被保険制度」とは?

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日本は国民皆保険制度なので、退職して被用者保険(協会けんぽ、健康保険組合等)を抜ける際には、何らかの健康保険に加入する必要があります。 会社を辞めた場合、どの健康保険に加入するかには次の3つの選択肢があります。 家族の扶養に入る 任意継続制度を利用して退職前に加入していた健康保険に継続して加入する 国民健康保険に加入する 実は、一部の人に限られますが第4の選択肢があることをご存知でしょうか。今回は、第4の選択肢である「特例退職者被保険制度」について解説します。 なお、上記三つの選択肢と国民健康保険の保険料の試算については、「 組合健保や協会けんぽから国民健康保険に変更になったら保険料負担が重くなる?いくつかの例で試算してみましょう! 」の投稿で解説していますので、そちらも参照いただければと思います。 ※参考: 厚生労働省「 日本の国民皆保険制度の特徴 」 ポイント 一部の健康保険組合には、年金受給権のある退職者向けに特例退職者保険制度がある 特例退職者保険制度は現役時代の貢献に報いる意味合いを持つ制度である 任意継続被保険者制度同様、保険料は全額自己負担だが、標準報酬月額は低めに抑えられている 制度を持つ健康保険組合で、加入期間等の要件を満たす人には有力な選択肢となる 目次 特例退職者被保険制度 特例退職者被保険制度を持つ健康保険組合 特例退職者被保険制度における保険料 国民健康保険との保険料比較 まとめ 1. 特例退職者被保険制度 健康保険組合の被保険者であった退職者が、退職後もその健康保険組合の被保険者になることができるのが、特例退職者被保険制度です。一定の要件を満たす健康保険組合が、厚生労働大臣の認可を受けて、「特定健康保険組合」となることで、この制度を活用できます。 そもそも健康保険組合は、主に大企業に勤めている人が加入できる組合ですが、その中の一部の組合がこの特定健康保険組合として認可されているということです。 企業および健康保険組合にとっては、永年企業に貢献し、健保の財政に寄与したOBに対して、退職後の保険給付の必要性が増える時期に還元することができる制度ということができます。 厚生労働省の資料「 特定健康保険組合について 」によると、特定健康保険組合の設立要件、及び特例退職者被保険制度への加入要件は以下のようになっています。 設立の要件 ・特例退職被保...

年収の壁は結局どうなった??令和7年度税制改正をおさらいしておきましょう!!

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新年度も始まり、財務省や国税庁から税制改正のポイントが解説されているので、その内容を元に改正内容のおさらいしていきたいと思います。 令和7年度の税制改正の背景とその詳細については、昨年12月に公表された 令和7年度税制改正の大綱 をベースに「 25年度予算案衆議院通過!!103万円の壁はどうなった??あなたの減税額は? 」の投稿で詳しく解説していますので、併せて参照いただければと思います。 ポイント 基礎控除のベースが増額されるとともに、低~中所得者には所得額に応じた上乗せがなされる 基礎控除の増額によって扶養親族等の所得要件も緩和される 給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に10万円引き上げられる 大学生相当の子の就業調整に対応するために、特定親族特別控除が創設される 目次 令和7年度税制改正 基礎控除の見直しと扶養親族の所得要件 給与所得控除の見直し 特定親族特別控除の創設 住宅ローン控除の拡充 企業型DC(確定拠出年金)・iDeCo(個人型確定拠出年金)等の拠出限度額の引上げ まとめ 1. 令和7年度税制改正 令和7年度税制改正では、給与所得世帯に影響のある個人所得課税に関する幾つかの重要な改正が行われました。財務省が公表している「 令和7年度税制改正 」では、個人所得課税の変更ポイントとして以下の三つが挙げられています。 物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整への対応 子育て支援の強化 老後の資産形成支援(案) 1はいわゆる「年収の壁」への対応で、所得税の基礎控除額及び給与所得控除の最低保障額の引上げが行われました。その上で、低~中所得の方の税負担への配慮から、基礎控除の特例として、所得額に応じた基礎控除の上乗せがなされます。また、基礎控除の増額に伴い、扶養親族等の所得要件も見直されます。さらに、就業調整対策の観点から、大学生年代の子等に係る新たな控除(特定親族特別控除)が創設されます。 2の子育て支援の強化では、住宅ローン控除の特例が延長されます。 3の老後の資産形成支援では、企業型および個人型の確定拠出年金の拠出限度額の引き上げが予定されています。現在議論が始まっている年金制度改革法案と一体の変更なので、現在はまだ案の段階です。 これらの変更ポイントをひとつひとつ確認していきます。 2. 基礎控除の見直しと扶養親族の所得要件 ①基礎控除の...

公表される物価上昇率が実感とかけ離れていると感じませんか?消費者物価指数について考えてみます!!

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3月の消費者物価指数(総合)は、前年比3.6%の上昇とのことです。でも、この物価上昇率って、生活していて感じる物価上昇よりかなり低く感じませんか? 今回はこの消費者物価指数について、総務省が公表している「 消費者物価指数のしくみと見方 -2020年基準消費者物価指数- 」を元に、その仕組みを解説します。その中で、なぜ実感とかけ離れて感じるかを考えてみたいと思います。さらに消費者物価指数と年金額改定の関係、日銀が現在の状況をどのように見ているについても考察してみます。 ポイント 消費者物価指数(CPI)は、物価の動向を客観的に示す指標である CPIは、年金額の改定や、福祉政策、金融政策などに幅広く活用されている 消費者物価指数は、必ずしも生活実感と一致しない CPIの2%以上の上昇が続いているが、日銀はインフレ目標達成とは考えていない 目次 消費者物価指数とは 消費者物価指数の算出方法 消費者物価指数の読み方 生活実感と消費者物価指数 年金改定と消費者物価指数 日銀の「物価安定の目標」 まとめ 1. 消費者物価指数とは 私たちは日々、スーパーで食料品を買い、光熱費や家賃を支払って生活しています。こうした生活に必要な商品の価格は時とともに変動します。その「モノやサービスの価格の変化」を数値で捉え、わかりやすく示したものが消費者物価指数(CPI: Consumer Price Index)です。 CPIは、全国の家庭が実際に購入している商品・サービスの価格の変動を測定し、物価の動向を客観的に示す指標です。価格の変化は、単品で見るとばらつきがありますが、複数の品目を総合的に見て初めて、全体としての「物価の動き」が見えてきます。CPIは、まさにその「物価の平均的な変動」を表す統計です。 わが国で用いられる代表的な物価指数には、消費者物価指数のほか、企業間取引の価格を捉える「企業物価指数(CGPI: Corporate Goods Price Index)」や、サービス業の価格変動を捉える「企業向けサービス価格指数(SPPI: Services Producer Price Index)」などがあります。CPIはこれらの中でも特に、消費者の立場に最も近い物価指標であり、家計や福祉政策、金融政策などにも幅広く活用されています。 具体的な利用例としては、以下のようなものがあります:...